ヨガのクラスに参加すると、必ずと言っていいほど最初に行うのが「山のポーズ(ターダーサナ)」です。「え、ただ立っているだけ?」と思われるかもしれませんが、実はこのポーズ、すべての立ちポーズの基本となる非常に重要なアーサナ(ポーズ)なのです。
日々のデスクワークやスマホの操作で、私たちの身体は気づかないうちに猫背になり、重心がズレてしまっています。ショーウィンドウに映った自分の立ち姿にハッとしたことはありませんか?
山のポーズは、そうした日常の歪みをリセットし、大地に根を下ろすように真っ直ぐ立つ感覚を取り戻すためのポーズです。この記事では、山のポーズの驚くべき効果や、正しく立つための具体的なステップを解説します。ヨガ初心者の方も、バランスポーズでいつもグラグラしてしまう方も、ぜひこの「基本の立ち方」をマスターしてください。
山のポーズ(ターダーサナ)とは?
サンスクリット語で「ターダ」は「山」、「アーサナ」は「ポーズ」を意味します。その名の通り、山のようにどっしりと力強く、かつ静かにそびえ立つ姿をイメージしたポーズです。アシュタンガヨガなどでは「サマスティティヒ(真っ直ぐに立つ)」と呼ばれることもあります。
一見、ただ直立しているだけに見えますが、足の裏から頭の頂点まで、全身の筋肉と意識をフルに使っています。山のポーズが正しくできるようになると、他のすべてのポーズの安定感が格段に増します。

山のポーズで得られる嬉しい効果
ただ正しく立つことには、心身にさまざまなメリットをもたらします。
| 効果 | 具体的な理由 |
|---|---|
| 姿勢の改善 | 骨盤を正しい位置に導き、背骨の自然なS字カーブを取り戻すため、猫背や反り腰の改善に繋がります。 |
| 体幹の強化 | 重力に逆らって真っ直ぐ立つためには、お腹や背中のインナーマッスルを無意識に使います。 |
| 集中力の向上 | 足裏の感覚や全身の筋肉の微細な動きに意識を向けることで、マインドフルネスな状態になり、心が落ち着きます。 |
| 疲れにくい身体づくり | 骨格で身体を支えられるようになると、余計な筋肉の緊張が解け、立っていても疲れにくくなります。 |
山のポーズの正しいやり方・ステップ
それでは、実際に山のポーズを行ってみましょう。足元から順番に積み上げていくように意識するのがコツです。
ステップ1:足裏で大地を踏みしめる
マットの上に立ち、両足の親指の付け根(母指球)、小指の付け根(小指球)、かかとの3点で均等に体重を支えます。足の指は少し広げてリラックスさせ、足裏全体で根を張るようにマットを踏みしめます。足は揃えるのが基本ですが、不安定な場合は腰幅程度に開いても構いません。
ステップ2:下半身を安定させる
足裏で踏み込んだ力を、ふくらはぎ、太ももへと引き上げていきます。膝のお皿を軽く上に引き上げるように太ももの前側に力を入れますが、膝を後ろに反らしすぎない(過伸展しない)ように注意しましょう。内ももを軽く中心に寄せ合う意識を持つと安定します。
ステップ3:骨盤と体幹を整える
お尻の穴を少し下に向けるようなイメージで、骨盤を床と垂直に立てます(反り腰を防ぎます)。下腹部を薄く引き込み、おへそを背骨に近づけるようにして体幹を安定させます。
ステップ4:上半身をリラックスして引き上げる
背骨を一つひとつ積み上げるように長く伸ばし、胸を軽く開きます。肩は耳から遠ざけるようにストンと下ろし、両腕は身体の横に自然に垂らします。手のひらは太もものほう、あるいは少し正面に向けます。
ステップ5:頭頂を天に向ける
あごを軽く引き、頭のてっぺんが目に見えない糸で天井から吊り上げられているような感覚を持ちます。視線は鼻先か、少し先の床に向けます。この状態で、ゆったりとした呼吸を5〜10回繰り返しましょう。
山のポーズでグラグラしてしまう時のチェックポイント
もし山のポーズでフラついてしまったり、違和感があったりする場合は、以下の点を見直してみてください。
- 足の裏全体を使えているか: かかと寄り、あるいはつま先寄りに重心が偏っていませんか?
- お腹の力が抜けていないか: 骨盤が前傾(反り腰)しているとバランスを崩しやすくなります。下腹部を引き込む意識を忘れずに。
- 肩に力が入っていないか: 胸を張ろうとするあまり、肩が上がったり腰が反ったりしないよう、肩の力は抜きましょう。
ヨガ ベーシックに関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。
山のポーズから発展!バリエーションを楽しもう
山のポーズが安定してきたら、腕の動きを加えることでさらに心地よい伸びを感じることができます。例えば、息を吸いながら両手を天井に向かって高く上げる「上向きの礼拝のポーズ(ウルドヴァ・ハスターサナ)」は、山のポーズの体幹を保ったまま行うことで、背筋や脇腹のストレッチ効果が高まります。
自宅でプロの指導を受けてみませんか?
山のポーズのような「基本の姿勢」は、自分一人では正しくできているか判断が難しいこともあります。「ヨガを基礎からしっかり学びたいけれど、スタジオに通う時間がない」という方には、自宅で受けられるオンラインヨガ「SOELU(ソエル)」がおすすめです。早朝から深夜までライブレッスンが充実しており、プロのインストラクターから直接指導を受けられます。カメラオフでの参加もOKなので、すっぴんや部屋着でも人目を気にせず気軽にスタートできるのが魅力です。自宅のすきま時間を活用して、心地よいヨガ習慣を始めてみませんか?

まとめ:山のポーズで日常の立ち姿も美しく
ヨガの原点である山のポーズは、マットの上だけでなく、日常生活の「立つ」という動作すべてに応用できる素晴らしいポーズです。信号待ちをしているときや、歯磨きをしているときなど、少しの隙間時間で足裏の感覚や骨盤の位置を意識するだけでも、姿勢は少しずつ変わっていきます。
yogerblogでは、今後も皆さまの心身の健康と美しい姿勢づくりをサポートするヨガの知識をお届けしていきます。まずは一日一回、山のように静かに、力強く立ってみる時間を作ってみてください。

